子どもの下痢|病院に行く目安は?危ないサインと様子見できるケース

③受診・医療の知識

「下痢が続いているけど、病院に行くべき?」
「元気はあるけど、このまま様子見でいいの?」

子どもの下痢はとてもよくある症状です。
ただ、どこまで様子を見てよいのか、迷う方も多いと思います。

今回は、小児科医の視点で
「受診の目安」と「様子見できるケース」をわかりやすく解説します。


結論|下痢だけなら急がなくてOK。ただし“他の症状”が重要です

結論からお伝えします。

下痢だけであれば、急いで受診が必要になるケースは多くありません。

ただし、

・嘔吐がある
・血便がある
・ぐったりしている
・強い腹痛がある

こうした症状がある場合は、早めの受診が必要です。

つまり、「下痢+α」で判断することが大切です。


なぜ下痢だけでは判断できないのか

下痢の原因の多くは、いわゆる「ウイルス性胃腸炎」です。

この場合は、自然に治ることがほとんどです。

ただし問題になるのは、脱水です。

特に注意が必要なのは

・嘔吐を繰り返している
・水分が取れない

といったケースです。

下痢単独では脱水になることは多くありませんが、
嘔吐が重なると一気に脱水が進むことがあります。


医師の視点|実際の外来で多いパターン

外来でよくあるのはこの2つです。

パターン①:下痢だけで元気 → 様子見OK

・食欲もそこそこある
・水分もとれている
・遊べている

この場合は、急いで受診する必要はありません。


パターン②:嘔吐+下痢 → 要注意

・何回も吐いている
・水分が取れない
・ぐったりしている

この場合は、脱水が進むリスクが高いため受診をおすすめします。


ケース別|受診の目安

すぐ受診したほうがよいケース

・何度も嘔吐している
・水分が取れない
・ぐったりしている
・強い腹痛がある
・血便が出ている

特に血便は注意が必要です。
感染性腸炎や腸の病気の可能性があるため、受診をおすすめします。


様子見できるケース

・下痢だけ
・元気がある
・水分が取れている

この場合は、自宅で様子を見て問題ありません。


長引く場合の目安

・1週間以上続く → 一度相談をおすすめ
・1か月以上続く → 精密検査を検討

長期間続く場合は、
潰瘍性大腸炎やクローン病などの病気も考える必要があります。


家庭でできる対応|整腸剤は有効です

下痢を早く改善させる方法として、
整腸剤の使用はおすすめです。

代表的なものとして

・ビオフェルミン
・ミヤBM
・ビオスリー

などがあります。

これらは腸内環境を整え、
下痢の期間を短くする効果が期待できます。


注意点|特殊なケースについて

日本ではまれですが、
コレラのような感染症では強い下痢により脱水になることがあります。

ただし、日常診療で遭遇することは非常に少なく、
過度に心配する必要はありません。


まとめ|迷ったら「元気さ」と「他の症状」で判断

最後にポイントをまとめます。

・下痢だけなら急ぐ必要は少ない
・嘔吐があると脱水に注意
・血便や強い腹痛は受診
・長引く場合も相談が安心


ドクターからの一言

下痢単独であれば、慌てる必要はあまりありません。

ただし、「嘔吐・血便・ぐったり」などがある場合は別です。

また、早く治したい場合には整腸剤の使用も有効です。

「これで大丈夫かな?」と迷ったときは、
無理に判断せず、気軽にかかりつけ医などで、ご相談ください。

参考文献

  1. 日本小児感染症学会. 小児急性胃腸炎診療ガイドライン.
    → 小児の胃腸炎に対する基本方針(脱水評価・経口補水・整腸剤の位置づけ)を示した国内ガイドライン
  2. 日本小児栄養消化器肝臓学会. 小児急性胃腸炎診療ガイドライン 2017.
    → 整腸剤(プロバイオティクス)の使用が症状軽減や回復促進に有効とされることを記載
  3. Szajewska H, et al. Probiotics for treating acute infectious diarrhoea. Cochrane Database Syst Rev. 2010;CD003048.
    → プロバイオティクスにより下痢の持続期間が短縮することを示した代表的なメタ解析
  4. Szajewska H, et al. Lactobacillus GG for treating acute gastroenteritis in children: a meta-analysis. Aliment Pharmacol Ther. 2007;25(8):871-881.
    → 乳酸菌製剤(整腸剤)が下痢期間を有意に短縮することを示した研究

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